第六話 上海人BEST5」のつづき


のんびり眠って、
昼からおでかけ!
上海最大の手芸用品ビルへ~

とその前に予園という有名な観光地でご飯を食べようと思って、
地下鉄を降り、地上へ上がった。



その時だった。
なんと日本大好き中国人の女の子2人が店長の元へ寄って来たのだった。写真を撮って欲しいらしい。


上海で友達を作る事は一日目の時点でスッキリ諦めていたのに、嬉しい瞬間だった。
写真ぐらいお安い御用ですよー


日本語と英語が少し話せるらしく、日本好きの2人は日本人の私を質問ぜめ~ちやほやちやほや!


ひゃー、
日本を出発してから、初めて人類に優しくされている。
日本を好きな中国人に会えるなんて感激~!


「今からお茶するところだからあなたも一緒にどう?」

わーい(^O^)行くー♡



店長は海外で知らない人について行って面白くなかった事が一度もなかった。

危ない目にあった事も一度もなかった。と思う。



てくてくてくてくてくてく



人通りの無いほうへと歩いてゆく。


てくてくてくてく



どんどんどんどん人通りの無い汚い通りへと導かれる。



てくてく



楽しい気持ちが曇りはじめる。



この時私は、ほとんど気が付いていたんだと思う。


でも優しい2人を信じたい気持ちがそれを邪魔した。


この上海で唯一私にやさしくしてくれる女子2人、いやオバサン2人を信じたい気持ちが、判断力を殺してしまった。


優しくされるのが嬉しくて、私は裏道へと足を踏み入れてしまったのである。


この時私は、キャバクラに通う独身男性の気持ちを身を持って学ぶ事となった。


騙されていると知っていながら、優しくされるのが嬉しくて


1人が寂しくて
誰かに一緒にいて欲しくて

話がしたくて


てくてくてくてくてく





第八話 ダイジョウブ」につづく